No.1 |
|
先月の読売新聞に米大学「人種優遇」違憲と最高裁判所が判決の記事が出ていた。米ハーバード大学などが入学
選考で黒人やヒスパニックを優遇するアファーマティブアクション(積極的差別是正措置)を採用していること
について、米連邦最高裁が違憲判決をだした。1960年代の公民権運動をきっかけに、1961年当時のケネディ大統
領が署名した大統領令が始まりとされ、63年ジョンソン大統領が大統領令で是正措置を具体的に規定し大学や企
業に広がった米国の人種差別解消の取組みは大きな転換点を迎えることになる。と報じている。アファーマティ
ブアクションをめぐる論争の始まりはシェリル・ホップウッドがテキサス大学ロースクールの入学試験で成績も
悪くなかったのに不合格、合格したアフリカ系やメキシコ系アメリカ人の学生の中には彼女よりも成績の低いも
のがいた。シェリルは差別を受けたと訴訟を起こした。これに対して大学はテキサスの法曹界の人種的民族的多
様性を促進することがロースクールの使命だと反論した。ホップウッドの他にもこの手の問題が法廷に持ち込まれている。1978年の
バッキ―裁判では連邦最高裁はアファーマティブアクションを採用していたカルフォルニア大学ディヴィス校医学部の入学選考方針
をかろうじて是認。2003年のミシガン大学ロースクールを巡る訴訟では最高裁が人種を選考基準の一つとすることを認める判決を僅
差で出した。マイケル・サンデル著書の「これから正義の話をしよう」では憲法上の問題ではなく、道徳の問題に的を絞って議論し
ている。
|