みんなの広場「こころのパレット」

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〈今日 A〉 引用
池見 隆雄 2018/6/2(土)15:18:55 No.20180602145609 削除
 今日は晴天。
 ほとんど無風――といって肌身にそれを感じないだけで、
 木立へ目を遣れば、葉っぱの各々は、
 呼吸するかに、絶えず、微かに動揺している。

 昨晩、エンリコ・カルーソー(テノール)の歌う
 オペラのアリアを一曲、題名は「耳に残る君の声」。
 大抵の人が覚えのあるメロディーではないか?

 録音はほぼ100年前。
 CD化されてもノイズは伴い、
 伴奏のオーケストラの響きは、フニャフニャとなんとも心許ない。

 しかし、一旦、カルーソーの声が登場すると、
 その時の隔たりが、一気に無効となる。
 昨日録音されたのではと我が耳を疑うほどの張りと響き。
 そして、歌唱を貫く確固とした精神性。

 時間にして4分の曲だが、
 私はその一曲でプレーヤーを止めてしまう。
 もうこれ以上は入らない。
 光と懐かしさで、内面世界は溢れ返っている。
  

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