みんなの広場「こころのパレット」

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〈かなめ〉 引用
池見 隆雄 2020/3/4(水)14:09:08 No.20200304134446 削除
( 昨日の hikaruさんへ

   この一年、新たな試みを、よく頑張ったね。
   その成果を踏まえ、
   スキルアップも図りつつのこれから。

   蕾が正に開こうとするかのような、
   緊張と希望だね。 )



 イチ(猫)が、事務局へ入れて欲しいと高い声で鳴き立てたのは、
 午後1時過ぎだった。

 例によって、私の傍らの座蒲団に、今日は丸くならず、
 後脚こそ折りたたんでいるが、前脚は伸ばし加減で腹這いになっている。
 両目を閉じている――何についての、どういう夢を見ているのやら。

 イチを野良猫の急襲から、微かでも守れればと、
 ネコの嫌う臭気のスプレーや、おもちゃもどきの電子器具など買い求めた 
 ――野良が塀を乗り越えてきそうな方角へ向けて、その器具を地に据え付けている。
   彼らの姿をセンサーが捕捉すると、人には聞こえず猫には不快な高周波を発する、
   また、対象がさらに近付けばフラッシュライトを浴びせかける。

 それらも効を奏したのか、先週後半から今週前半にかけ、
 イチは、比較的平穏に過ごすことが出来ていた。

 ところで、彼も昨夕、著明に発情期の兆候を現わした。
 相方を求める哀切な訴えを、喉を振り絞るかに発しつつ、
 闇の中へ消えて行った。

 私の傍らでイチは、
 何についての、そしてどんな夢を見ているのか?

 どんな夢だっていいさ。
 同じ室内に、彼がおり、私がいる。
 彼が私を総合的にどう評価しているのか分からないが、
 少なくも危害は加えられないと安心してくれてはいるだろう。
 それは、私にとって幸いなことだ。

 安心・安全な存在でいられること(意図的にそうであるはずのものでない)は、
 私の精進の要(かなめ)といってよいだろう。

 念のため付け加えておきたいが、
 私は別に、猫好きというわけではない。

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