( 昨日の hikaruさんへ
この一年、新たな試みを、よく頑張ったね。
その成果を踏まえ、
スキルアップも図りつつのこれから。
蕾が正に開こうとするかのような、
緊張と希望だね。 )
イチ(猫)が、事務局へ入れて欲しいと高い声で鳴き立てたのは、
午後1時過ぎだった。
例によって、私の傍らの座蒲団に、今日は丸くならず、
後脚こそ折りたたんでいるが、前脚は伸ばし加減で腹這いになっている。
両目を閉じている――何についての、どういう夢を見ているのやら。
イチを野良猫の急襲から、微かでも守れればと、
ネコの嫌う臭気のスプレーや、おもちゃもどきの電子器具など買い求めた
――野良が塀を乗り越えてきそうな方角へ向けて、その器具を地に据え付けている。
彼らの姿をセンサーが捕捉すると、人には聞こえず猫には不快な高周波を発する、
また、対象がさらに近付けばフラッシュライトを浴びせかける。
それらも効を奏したのか、先週後半から今週前半にかけ、
イチは、比較的平穏に過ごすことが出来ていた。
ところで、彼も昨夕、著明に発情期の兆候を現わした。
相方を求める哀切な訴えを、喉を振り絞るかに発しつつ、
闇の中へ消えて行った。
私の傍らでイチは、
何についての、そしてどんな夢を見ているのか?
どんな夢だっていいさ。
同じ室内に、彼がおり、私がいる。
彼が私を総合的にどう評価しているのか分からないが、
少なくも危害は加えられないと安心してくれてはいるだろう。
それは、私にとって幸いなことだ。
安心・安全な存在でいられること(意図的にそうであるはずのものでない)は、
私の精進の要(かなめ)といってよいだろう。
念のため付け加えておきたいが、
私は別に、猫好きというわけではない。 |