「ナンバンギセル(南蛮煙管)」 ハマウツボ科ナンバンキセル属の寄生植物。
日本を含むアジア東部&%2312316;南部の温帯から熱帯にかけて生育。花茎は15&%2312316;20a。 イネ科の植物(イネ ススキ ミョウガ
サトウキビ等)の根に寄生。 葉や茎には葉緑素がなく 寄主の根が吸収した栄養分に依存して生長。その為 寄主の生長
が阻害され 枯れることもある。 花期は晩秋 赤紫色の花を俯き加減につける。花冠は筒型で唇形。 花茎は15&%2312316;20a。
和名は 西洋人が刻みタバコを吸う時に使う煙管(キセル)に似ていることに由来。 花言葉&%238943;「物思い」。
万葉集には 「思ひ草」として一首歌われている。頭を垂れて咲く花の姿が思い悩んでいる人を例えた「思ひ草」と呼ばれ
万葉集の「思ひ草」によく適合する。 2270「道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらさらに なにをか思はむ」
作者未詳。 大意「道のほとり 穂を出したススキの下陰の思い草 まるで思い悩むように俯いて咲いている。
こんな風に私も恋の悩みを抱えているけれ ども 今さらもう何を悩んだりしようか
」
昔は 溜池の堤防に沢山の萱(一般的には 枯れて屋根材等に利用される状態のススキ・ヨシ・チガヤ等の草全般を指
す)が生えていたので 農村部では ナンバンキセルもさほどに珍しいものではなかった。
現在は 堤防の多くは 遊歩道が整備され 萱も激減しているので この花を見る機会は殆どなくなっている。
約20年ぶり位に見ることができたこの花を見守り 種子を採取し 来年は 盆栽で育でている小型の屋久島ススキに
ナンバンキセルを咲かせるチャレンジをします。
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