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プロゴルファーのケイシー・マーティンは片足に障害があった。歩くとかなりの痛みがあり、出血と骨折の危険
性が高くなる。スタンダード大学の大学選手権優勝チームの一員で、その後、プロになったマーティンはプロゴ
ルフ協会(PGA)に、試合中にゴルフカートを使う許可を求めた。PGAはそれを許可しなかった。協会の規則では
トッププロの試合でのカートの使用は禁止されていた。マーティンは裁判に訴えた。彼の主張は米国障害者法
(1990年に成立)は活動の本質を根本的に変えないことを条件に、障害を持つ人に妥当な便宜を図ることを求め
ていた。ゴルフ界の大御所たちも裁判で証言した。アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラウスはカートの使
用禁止にこぞって賛成した。彼らの主張は疲労はゴルフの試合の重要な要因であり、歩かずにカートに乗れば、
マーティンだけが有利になって不公平だというのだ。最高裁の判決は7対2でマーティンにゴルフカートを使用す
る権利を認めた。歩行がゴルファーのスタミナにとって負担になるという主張に対して判事が引用したのは、生
理学教授の証言だった。教授の谿さんによれば18ホールを歩くのに消費されるのはわずか500calほどで、ビックマックの熱量よりも少ない。
ゴルフは運動量がさほど多くないスポーツであるため、試合の疲れは主に精神面の現象でストレスと意気込みが主な原因である。
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