秋に北海道の河川に遡上するサケは3〜4年間ベーリン海やアラスカ湾まで回遊した後、大きく成長しメスは卵をいっぱい抱き、オスは精
子をため込んで遡上して川底に穴を掘りそこに産卵、放精後急激に体の代謝が低下して(老化)死ぬ。老後はなくつまりピンピンコロリで
ある。ヒトは老後が30〜40年と非常に長く、これはヒト特有で他の動物ではこのヨボヨボな状態は見られない。日本人の死因の1位は
ガンですが、出産回数が乳ガンや卵巣ガンの発生率を下げるのは事実。これは妊娠授乳中に女性ホルモンが抑制されることが理由です。
生理的な理由だけでなく、ヒトの場合には、親になると自分の健康に気を付け規則正しい生活を送るとか、子供と一緒に栄養に配慮した
バランスの取れた食事をするといった寿命に対してプラス要因が考えられる。また子供がいると所属するコミュニティも増え、いわゆる
ママ友・パパパ友と関わる頻度も増える。ヒトは社会性の生き物、つまり、コミュニティの中でしんかした一人では生きていけない生物な
ので、人との関わり合いがある方が元気に長生きできる。ヒト以外の陸上哺乳類で最も寿命が長いのはゾウです。ゾウは60年以上も生き
るのもいます。ゾウはあれだけ体が大きくて細胞の数も多く、寿命も長いのに、ガンに殆んどならない。理由を調べたら、P53の遺伝子が
20個もあることが分かった。加えてリフシックスというP53の働き(ガン細胞を排除する)をさらに助ける遺伝子もゾウにだけ存在する。
ゾウの長生きの理由は、傷ついたDNAを持つ細胞を修復して生かすのではなく、容赦なく殺して排除する能力に長けているためと考えられ
る。老化して傷ついた細胞も同じように排除されるため、ゾウは基本的には老化症状を示さず、死ぬときには心筋梗塞などの循環系の不
具合が原因でピンピンコロリという訳である。結果的に老いたゾウは存在しない。ヒトにとって少しずつ老いていく「老化」はごく身近
なものですが、自然界の生物を見渡すととても珍しい現象だったのである。
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