わが国ではほとんど知られていない(と思われる)、
フランスの女性ピアニスト、マルセル・メイエ(1895〜1958)の演奏で、
ラヴェルの『クープニンの墓』(6曲からなる組曲)を聴いた。
初めて耳にする曲でもある。
洗練され尽くした音楽の、それへの演奏者の圧倒的共感と
超絶的な技巧に裏打ちされた創造的再現。
一夜明けてもその余韻が尾を引いており、仕事へも気乗り薄。
メイエのCD(17枚組)は、10年前、ほんとうに偶々入手し、
当時ラモーの曲を少し聴いたくらいで、今日まで置き所の押し入れの中に眠っていた。
それをまた近頃、偶々聴こうということになった。
バッハもスカルラッティも、シューベルトも良かった。
そしてラヴェル。
それでなくても私の現在は、フランスの作曲家、演奏家へ大きく傾いている。
ずっと生きて来て、「こういう音楽、こういう世界の切り取り方もあるんだ」と。
(以上の文への結び二種)
@ メイエのCDボックスは元々廉価だったが、
スマホで見直すとさらに値が下がっている。
古いモノーラル録音のCD化だが、音質は十分に鑑賞にたえる。
ピアノ音楽ファンならば、これを見逃す手はないと思う。
A ――無限の未来、無限の可能性、という言葉が脳裏を掠(かす)める。
|