みんなの広場「こころのパレット」

||| ホームページ | タイトル一覧 |||

〈必 然〉 引用
池見隆雄 2026/2/3(火)14:35:19 No.20260203140759 削除
 今日午後、仕事の合間に、
 ラヴェルのピアノ独奏曲『夜のガスパール』へ耳(心)を傾けた(演奏はもちろんメイエ)。
 今日で7度目くらいになるか?
 凄い曲とは思いつつ、
 この取り止めのなさ、複雑怪奇な(というふうに思える)構造を遠巻きにしているのがやっと。
 (メイエのほかにもモニク・アースやアルゲリッチのディスクを手に取ってみたが。)

 しかし、今日は、何かが閃いた。
 確かな存在感というか、曲の構造の窺える瞬間瞬間も得られた
 ――前のフレーズと後のこのフレーズが相関している、あるいは響き合っているなど。

 ラヴェルの作品の中でも、私は今のところ、
 『クープランの墓』(ピアノ独奏曲)を最も好むけれど、
 『夜のガスパール』はそれと兄弟姉妹、陰陽の位置を成しているのではないかと。

 こうも言えるか、
 前者は陽の当たる推進力を体験している、
 後者は月光の青白さの推進力。
 見た目の感覚では前者のエネルギーの方が圧倒的だが、
 後者のそれはしたたかとでも形容するか。
 これら推進力の源を私にもとても特定できないが、同じ一つものであるだろうと想う。

 取っ付き難かった『夜のガスパール』からもそれを感得でき、
 私自身もまた、日々生きて、なにがしか活動していることの必然を喜ばしく思う。

 今日は、多少ピアノに触れられる家内ともども聴いたわけだが、
 初めてこの曲へ対し彼女は、難解なテクニックの苛烈なほどの要請や推進力に驚嘆。
 「いつかこの曲の楽譜を見てみたい。細やかな音符でさぞかし真っ黒でしょう」と言う。

 それを聞いて、音大のピアノ科に学んだ知人から聞いたエピソードが思い浮かんだ、
 「ラヴェルは、『全てを楽譜に書き込んだから、(演奏に際して)誰も何もそれを変えないでくれ』
 と常々漏らしていた」 と。

 今月が家内の誕生月だから、ラヴェルの楽譜をプレゼントするかな。

パスワード  (ヘルプ)


    << 戻る