ある方から、睡蓮の葉の広がりと、
そこに留まっている蛙(雨蛙?)を描いた
絵手紙が届いた。
視点はそれらのやや頭上にあり、統合性を欠いて四方へ放たれた
蛙の目の玉の具合がユーモラスだ。
山頭火の句、「水のうまさに蛙鳴く」
が 添えられている。
呑んべえで知られるこの人ならでの捉え方とも思える
――粗略に過ぎる感想か。
酒はもちろん、
原材料の主たる一、水が上質でなくては旨くなかろう。
私の母方の実家は、福岡県南に所在する造り酒屋。
直ぐ目の下を、筑後川が、瞬時も止まることなく
滔々(とうとう)と行く。
幼時、母の里帰りに伴われて行って飲んだそこの水は、
蛇口からでもおいしく、
私はいまだに、そこの酒しか口に合わないのだ。 |