義母の七回忌法要を営むために、静岡へ行って参りました。
島田市の菩提寺で法要を営み、藤枝市のお墓をお参りし、静岡市の
施設にお世話になっている岳父を見舞って参りました。
大正5年生まれで満94歳の岳父は、秋に二度の手術を受けたにも拘わらず
元気そうでした。
それなりの認知症の岳父は、この日は機嫌がいいのか
「みんな出て来い来い来い、オイラの友達ゃポンポコポンの・・・」と
ずうっと歌を唄っておりました。
ほとんど寝たきりなのですが、甘いものが大好きな岳父ですのでお土産に
「きんつば」を持って行き、小生が岳父の背中を支えて、女房がちぎって
食べさせてあげると「もっとくれ!」「小さくしなくていい」と言います。
その時の表情は、先程までの「ボケ爺さん」ではなく、まるで別人の様な
反応を示します。
この辺りがいわゆる「まだらボケ」たる所以なのでしょうか。
岳父の姿を見て、いつも感じるのですが、「ボケ」というのは人間の持つ
「自己防衛本能」の最たるものでしょう。
「現実を知りたくない」「真実から逃れたい」という気持ちが強く
働くと、都合良く脳みそがスッカスカになってくれるのでしょう。
岳父が自分の置かれている客観的状況を認識しているとすれば、とても
寂しくて生きていけないでしょう。
ボケて訳分からなくなっているからこそ、生きれるのです。
職業的にいつも「人が生きるとは何か?」を考えておるのですが
岳父の姿にはいろいろな事を学ばせて頂いております。
こう考えると、人の助けがないと生きていけないボケ爺さんでも
人に対して何かを示唆する事が出来るんだなぁと感じます。
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