江別神社「宮司の独りよがり」

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岳父逝去 引用
江別神社宮司 2012/4/3(火)17:43:33 No.20120403173751 削除
岳父は平成二十四年三月三十日午後八時三十分頃に静岡市内の特老の自室にて
母の待つ泉下へと一人で旅立ちました。

行年九十七歳ですので、世間的に言いますと「大往生」と言えますが、
母が急逝した平成十六年以降の七年半の間は特老での一人暮らしでしたので、
いくら認知症とは言え「きっと寂しかったのではないか」と、思ってもおります。

また私の住居が遠隔地とはいえ、女婿として何もしてあげられなかった事に
今更に後ろめたさも感じております。

昨年暮れに入院以来「いつ逝っても」という状態でしたが、「何とか年末年始は頑張って
生きてくれ」「出来ればどんど焼までもってくれ」「節分以降ならいいよ」などと自分の
仕事の都合ばかりを優先して考えておりました。

岳父はそんな私の身勝手な願いを、すべて叶えてくれました。

今回の岳父の逝去で、私に「親と呼べる人」はいなくなりましたが、例え数え九十七歳の
認知症の岳父であっても様々な示唆を与えてくれました。

宗教に関する職業に就いている者の一人として「生と死」について考えることは
常なるテーマであります。

ある人の本に「人は用事があるから生きているんだ」と書いてありました。

九十歳をとうに過ぎ、連れ合いにも先立たれた認知症の岳父が「この世にいったい何の用事が
あって生きているのか」をいつも考えておりましたが、それをテーマにするだけでも
随分と勉強させられました。

 いろいろな事情があって、女房の御先祖を祀る仏壇は私が預かっておりますが、
きちんと供養をして残された我々を見守ってくれるよう手を合わせて参りたいと思います。

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