フェイスブックの記事を見ていて、昔の父と母の姿を思い出しました。
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小生が小学校の低学年の頃、神社の辺りにはまだ「乞食」と
言われる人や、何と言うか所謂「押し売り」というか、さもさも
たった今刑務所から出所して来たばかり、という雰囲気を醸し出して
物を売りに来る人がいて、うちに来ておりました。
「お腹がすいて」という乞食、今ではホームレスと言うのでしょうか、彼らが
来ると母は「ちょっと待っていてね」と言って、母の手からはみ出すほどの
大きな握り飯を握って渡しておりました。
また、ある時は「ムショ帰り」のおじさんがやって来て、玄関先に縫い針や糸や
栓抜きなどを並べて、買って欲しいと父に願います。
気の小さい小生など、それらしい人が来ると緊張してしまうのですが
戦地帰りの父は全くひるむ事無く「どら!見せてみろ」といって
それらしき人の前にどっかりと腰をおろして「これとこれとこれ」と
何点かの商品を購入します。
そのやり取りの間に、母は「お腹すいているんでしょ」といって
大きなおにぎりを作って、渡します。
決してうちの父や母だけではなく、きっと全国の神社の社務所で同じような事が
行われていたのだと思います。
理由はどうあれ困っている人、恵まれない人が神社を頼って来る。
そして神社の人間は、幾ばくかの救いの手を差し伸べるという事が
この国の道徳観念の底辺にあったのだと思います。
はたして小生に父や母の真似が出来るのだろうか!? |