みんなの広場「こころのパレット」

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〈 去 来 〉 引用
池見 隆雄 2015/10/13(火)14:48:21 No.20151013142229 削除
 一週間前の午前中以降、シロが、
 住処としていた協会の敷地内から、行方(ゆくえ)をくらました。

 交通事故に遭ったのでは?
 当局に捕獲されたのでは? など心配したが、
 昨今では、仔猫たちがほぼ独り立ち(間もなく生後半年)したので、
 シロの方から身を引いたのではないかとの推論――結論に達している。

 今年7月中旬に不妊手術を受けさせもしたが、
 その後、体調不良の気配もなく、
 子供たちの面倒をよく見、
 一方で私に子を持つ以前と同様甘えもしてきた。

 同日の朝方には、私の妻が、協会から間近の総合病院から退院。
 昨年4月に右足首を骨折し、
 プレートとネジとで骨同士接合していた、それらの異物を、
 今度取り出して貰ったのだった。

 6日間の入院後、私が病院へ迎えに行き、一旦協会へ立ち寄った。
 そのとき、シロが、来訪者のあるときに珍しく、
 協会事務局の出入り口の傍らに坐っており、
 妻が、「あらっ、シロちゃん」 と、番猫(?)をねぎらったものだ。

 その後もそこに居続けるので、私も、
 「シロ、どうしたの? 」 とガラス戸の内から。
 平生なら鳴き声で応えるところ、
 そのときに限ってまっすぐ前方――門扉の外へ目を据えたまま。

 昨年7月、黒猫のサブが死ぬ少し前にシロは現われ、
 そのまま住みついた。
 12月に我が家で文鳥のサラが死んだ。
  
 今年4月下旬、シロが2匹の仔猫を出産。
 私はまっ黒の方にサブ、
 シロに共通する毛並の子の方へサラという名をつけた。
 大きくなってみれば、
 サブが雌、サラが雄と判明したのだが。

 さて、シロを目の当たりしなくなってみれば、
 2代目のサブとサラの現存が改めて意識される、
 まるでシロを媒体として、
 初代の彼らが蘇ってきたかのように。

 また、身につまされる、
 真に育成するとは、執着を断つことなのだなと。

 しかしながら、私は、
 事あるごとに、
 シロのたたずまいが思い浮かべられる。

 

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