みんなの広場「こころのパレット」

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〈一足早い 桜〉 引用
池見 隆雄 2020/1/31(金)15:00:52 No.20200131144132 削除
 15〜16年前に書いた私の文章――今日までで最長の、を見直す機会を得られて、
 そこに交じえられている、
 現在の私がもうほぼ忘れていた、小学低学年時の一エピソードに邂逅し、
 “粗暴な気分屋”がイメージの大勢を占める自分にもそういう一面があったか、
 と驚きにも似た思い掛けなさへ誘われ、
 とともにそのときの情景が、モノクロながら新鮮な映像として蘇る。

 両親と私、妹一家は、その当時、叔母(父の妹)経営の、
 「長生病院」と命名された内科・小児科の裏手にある二階屋に住んでいた。

  「長生病院の塀のすぐ内側に、一本の桜の木が立っていた。
  (中略)開花の盛りが降雨に見舞われると、
   私と妹とは申し合わせたように、傘をさして桜の下へ行った。
   知らぬ間に散ってしまうのが口惜しかった」

 既に、今年の桜の芽も膨らみ始めている。
 花の時期を迎えると、私は、仕事前に職場付近の公園へ、しばしばバイクを乗りつける。

 桜好きに変わりはないが、落花について曾てほどの執着はない。
 開花していようといまいと、私の内面世界の一画は、
 それらの彩りに染め上げられて不変なのだから。

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