とある開業の整形外科で、「頸椎変形」との診断を下されて、
現在、三種の器具と湿布との治療に通っている。
それらに当たって、担当の看護師さんと大てい私語を交わす。
通院し始めて今月で2年を経過するから、皆さんと顔なじみ。
半数が、ほぼ私の孫といってよい若手だ。
今日は、
「だいぶ涼しくなりましたね」と私から。
若手の一人の担当者が、
「そうですね・・・ワクワクします」
ワクワクという反応は意想外だったので、
「ワクワクしますか」とリフレクトする。
「とても食欲があって・・・」
「食欲のあるのは良いですね」
「あり過ぎて困ります・・・(私へ)分けて上げたいくらい。」
そこで、大仰ではないが、互いに声を上げて笑う。
「秋は、おいしいものが沢山ありますから」
何が好きなのが尋ねてみようと思わなくもなかったが、
会話が、私の両肩への湿布貼付に要する間をオーバーするのは避ける方を選択
――だいたい、患者さんが多めと見ると、湿布は遠慮することにしている。
看護師さんが「ワクワク」なる副詞を用いたのは、
気候の凌ぎやすさに加え、おいしい食物へ対してということも推察できたし、
この日のこの看護師さんとの邂逅は、
「(貼付)終わりました」
「ありがとうございます」
と自(おの)ずから儀礼的に結ばれた。 |