みんなの広場「こころのパレット」

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〈コナトゥス〉 引用
池見隆雄 2024/4/8(月)13:53:41 No.20240408133913 削除
 『スピノザと十九世紀フランス』という論考を購入し、
 それによってフローベルが、スピノザの汎神論の影響下で
 晩年の未完の大作『ブラヴァルとぺキッシュ』へ向かっていたと知り、
 中断していた、ドキュメント風の小説、『フローベルの鸚鵡』を再び開く。

 偶々、アレクサンドル・デュマ(『三銃士』の作者)が、
 プロイセン帝皇后付きの料理長に指南されたという、
 モスクワ風の熊の手の料理法が引用されていた。

 大変な手間だ。
 これは、フローベルが“熊”を自称していたことからの 
 作者、ジュリアン・バーンズの連想。

 熊の手は、昔から中国でも珍重されてきており、
 私も中国古代史か何かで「熊掌(ゆうしょう)」という単語を見掛けた覚えがある。

 スピノザは殊更美食家というのではなかったが、
 おいしい料理やよい音楽・演劇など、
 こころ・身体を喜ばせる要素を広く推奨している。
 人間の現実的本質(コナトゥス――自分の存在に固執しようとする努力)の働きを
 促進するからだという。

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