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85年前に刊行された水野良平先生の名著,『宇宙旅行』 |
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『宇宙旅行』は1940(昭和15)年7月1日に誠文堂新光社から刊行されました。『小学生の科学』1939(昭和14)年4月号から翌年3月までに、ペンネームである光川ひさし氏(宇宙旅行の奥付は、光川久となっています)が執筆連載した、「宇宙見学旅行」を一冊に纏めたものです。「さあ、いらっしゃい、いらっしゃい宇宙見学旅行のロケットが出発します」で始まり、月、太陽系、銀河系までの宇宙旅行が平易に解説されています。途中、宇宙の考え方の歴史や四次元の問題が易しく書かれ、また章ごとにまとめの問題があります。私の調査では、1941(昭和16)年11月25日に修正第5刷が発行されています。この話聞いたことがあるという方は、スルーしてくださいね。投稿したのは、『小学生の科学』1939(昭和14)年4月号の写しです。
ペンネームである、光川ひさし(久)は当時東京天文台にお勤めで、その後五島プラネタリウムの名解説員となった、私の天文の恩師である、水野良平先生(1899−1978)です。
ところでこの本は戦後になって、戦前版と全く同じ内容で、1948(昭和23)年8月1日で太陽系の巻、大宇宙の巻という2冊で発行されています。水野先生は戦前版の『宇宙旅行』を所持しておられず、戦後版の「大宇宙の巻」しか持っておられませんでした。戦前版を小川に探すように命じられました。当時は現代のようにネット環境などなく、仕方なく古本屋を片っ端から歩きて、ようやく探し出したのが、お亡くなりになった後でしたが、淑子夫人は大変お喜び頂きました。
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