「フウラン」(風蘭、富貴蘭) ラン科フウラン属の常緑の着生蘭。日本原産で野生種としての分布は、
関東以西で四国や九州の常緑広葉樹林に生えている大木の高い枝や梢に、白く太い気根を長く這わせて自生。
本来は野生種や原種を「風蘭」、その園芸品種を「富貴蘭(フウキラン)」と呼ぶ。現在、野生に自生しているものは、
雑滅危惧U類(VU)(環境省レッドリスト)に登録されている。 フウランのような着生植物の生育には、生長速度が
ゆっくりになった常緑の巨樹が必要。フウラン等の保護・保全には森林の保護が必要なのだ。
フウランの生長は遅く、年間に生じる葉は二枚程度。花が美しく香りも良く観賞用に栽培される。江戸時代より、
葉変わりや斑入りのものを選別・命名してて愛好される伝統園芸植物の一つ(十一代将軍家斉は熱心な愛好者だった)。
この園芸品種の一軍を特に「富貴蘭(フウキラン)」と呼び、現在も多くの品種があり、東洋蘭の一つとされる。
「フウラン」の和名は、中国名の「風蘭」に由来。 花言葉‥「恋の成就」‥花の甘い香りに誘われ飛んできた蛾
が花粉を運んで結実する習性から。
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