熊蝉の鳴き声が心なし元気なく聞こえます。
今日は、ネム丿キ2種類(共に品種改良された姫ネム、でも樹高を抑えるのに苦労しています)。
何れも、最初の画像は、咲き終えた20時頃、葉が開いた画像は翌朝の撮影。緋ネムは樹高13センチ、日向ネムは10センチ。
ネム丿キ(合歓の木 ネム ネブ) 英名Silk tree。
マメ科ネムノキ属の落葉小高木。東アジア〜東南アジアに分布。わが国では、本州〜沖縄の日当りのよい山野の湿地に生育。
8月小枝の先に花(紅,ピンク,白等)を付け、日没に葉が閉じると、入れ替わるように開花、夜の間咲き続ける。翌
朝には萎む。長く伸びた糸状のものは雄蕊で、多数ある。紅をぼかしたようなようなその姿は、清楚と言うより妖艶な女性を思わせる。
和名の「ネムノキ(合歓の木)」は、夜に葉が合わさり閉じ(就眠運動)、眠るように見えることが転訛した。
中国では、「合歓木」と書き、「男女が共寝して相歓び合う」と言う意味をもたせ、夫婦円満の象徴とされている。
花言葉…『歓喜』『胸のトキメキ』・・・中国では、この木が夫婦円満の象徴とされていることに因む。
◆この木が詠み込まれた俳句 『象潟や 雨に西施が ねぶの花』 (芭蕉)
(芭蕉はネムの花に中国周時代の傾城の美女西施への想いをかさねている)
◆ネム丿キを詠んだ万葉歌…(紀郎女(きのいらつめ)が大伴家持に合歓(ねぶ)の花と茅花を折り取って贈った時に添えた歌)
『昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ』
巻8-1461 紀カ女 (昼は咲いて夜は葉を合せて好きな人に抱かれるように眠る合歓ですよ。そんな花を
あるじの私だけが見て良いものでしょうか。お前さんもご覧なさいなと詠いかけた一首) (君のみ見めや…君は
ここでは主人の意味で作者自身をさす。 戯奴…年少の召使などを呼ぶ言葉。ここでは大伴家持をさす) 年 上で
人妻(天智天皇の曾孫安貴王の妻 32歳頃 )でもある作者は、戯れながら、花によせて共寝を誘っている。
若き日の家持(22歳)は、ドギマギしながらも返歌をします。 『我妹子(わぎもこ)が 形見の合歓は 花のみに
咲きてけだしく 実にならじかも』 万葉集 巻8-1463 大伴家持 (あなたが下さった合歓は花だけ咲い
て多分実を結ばないのではありますまいか。あなたのお気持ちは口先だけで本気ではないのでしょう)。
|