彼岸が過ぎても、日中は夏日の暑い日が続きます。 「青ツヅラフジ」の小さな葡萄に似た実が色づきました。
「アオツヅラフジ」(青葛藤、青葛、別名 カミエビ) ツヅラフジ科アオツヅラフジ属の蔓性落葉木本。 北海
道南部から沖縄迄日本全国に分布。 緑色の細い蔓は、枝分れして他の植物に巻きついて伸びる。夏に開花し、
秋に6-8oの球状の果実をつける。晩秋にはブドウのように青く熟し、表面は粉白を帯びて目立つようになる。実には、
「アルカロイド」と言う殺虫剤にも使われる有毒成分が含まれている。 和名は、蔓に青みのあるツヅラフジと言う
意味。ツヅラフジの由来は強靭なこの蔓でツヅラ(昔話「舌切り雀」に登場する、衣装を入れる蓋のついた箱型の籠)を
編んで作ったこと、蔓が藤のように丈夫なことに由来。 花言葉‥「目立たないが存在感がある」‥夏に咲く花
は、小さく色も控え目で目立たない。しかし、秋になると可愛い実をつけて道行く人を魅了することから。
「万葉集」には「ツヅラ」の名でアオツヅラフジが詠まれている。 「駿河の海 磯辺(おしべ)に生ふる 浜つづら
汝(いまし)をたのみ 母に違(たが)ひぬ」14巻 3359 作者不詳 (駿河の海の磯辺に生え、伸びている浜の
アオツヅラフジのように、あなたを頼みにし続け、母の心に背いて他の人に嫁がずにいます) 蔓で他の植物に絡
み付くアオツヅラフジのように、男を頼りにしている自分をなぞらえている。「駿河」という歌枕から、1000年以上前
から静岡県にアオツヅラフジが生息していたことが分かる。
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