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この本の著者斎藤成也は「人類負け犬説」を主張しています。あくまでも人類は偶然、二足歩行をするようにな
ったと考えます。仮に人とチンパンジーの共通の祖先が四足歩行をしていたとして、その中から突然、直立二足
歩行をする個体が生まれたとします、この直立二足歩行する個体が特に支障なく生きて行くことが出来れば、四
足歩行と二足歩行が生き残る条件に差がなくなります。ここから時代が下がって、種全体が二足歩行をするよう
になったとしても、それは環境に適応したからではなく、つまり自然淘汰によるものではないと、中立進化の
立場からは考えられます。初めて直立二足歩行を始めた人類の祖先は、変わり者の負け犬として差別を受けてい
たかもしれません。チンパンジーに居場所を奪われながらも、木の上でどうにかねぐらを確保し、それでも最終
的には森から追い出され、しぶしぶサバンナで暮らすようになったのではないかと想像します。
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