K 様
メール、ありがとうございます。
実は私は、井上荒野(いのうえあらの)さんの小説作品へ、目を通したことはありません。
それどころか、父君、光晴氏のそれでさえ、私好みの文とは思えず、
幾種か手に取ったものの、通読したことがないのです。
しかし、「文学伝習所」に数度参加して、同氏のお人柄からは、大いに発奮させられました
それを一言に言うなら、Kさんのワイルド&センシティヴ――との形容が当たっていると思います。
あるいは、父(男)性的人間愛。
その語られる内容もさりながら、謦咳に接しているのみでも、
ムラムラと身内に“生きんかな”との胎動が頭をもたげて来るのです。
また機会があれば、書物や光晴氏の話をしましょう。
追伸
今度、映画化された荒野さんの作では、
寂聴さんと井上夫妻との、人間の業めいた関係性の機微が扱われているようです。
〇月〇日
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