4泊5日のベーシック・エンカウンターグループなら、3日目の午前あたりのセッションで起こりそうな参加者相互の遣り取りを、断片的に想像してみました。
X「Yさんの表情や言葉の向こうに何があるんだろう、とこのグループの始めからずっと思ってきました」。
Y「・・・それはどういうことですか?」
X「Yさんの言葉や表情は、Aさんを表していないように思えたのです」。
Y、Xを見つめる。Yの両眼が潤んでいるようだ。
Y「それが、私の苦しみだったんです・・・私の気持を表せないというのが」。
(間)
Y「Xさんにたずねたいことがあるんですが・・・」
X「僕に答えられることであればいい」。
Y「Xさんがわたしに言われたことは、Xさんの直感ですか?」
X「直感というか・・・Yさんが話されるのを見聞きする中で、そういう思いが膨らんできました・・・僕の方からも、たずねていいですか?(Y、うなずく)Yさんは、どうして僕に、そういう質問をされたんでしょう?」
Y「・・・知的に分析されてるようじゃなかったからかな」。
X「そうですね・・・いろんな考えや思いが浮かびましたが・・・そういった全体として僕がYさんへ伝えたいことが、感じられるようになるまで待っていました」。
Y「・・・Xさんの全体ですね?」
X「そうです。Yさんについて感じられた、あくまで僕自身の全体です」。
Y「・・・わたしも、わたしの全体を待ってみようかしら、ここで」。
X「いっしょに待ちましょう」。
(間)
Y「今、いえることは・・・このままのわたしでも悪くないじゃん・・・」。
Yの他の、ファシリテーターを含む9人が、それぞれうなずいたり、微笑んだり。
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